あがり症の種類: 2007年10月アーカイブ
あがり症は対人恐怖症の一種とされています。
対人恐怖症とは、簡単に言うと、他人と接することに恐怖を覚え、避けようとする症状。
他人といっても、親しい人の前では症状が出ないことがほとんどです。
一口に対人恐怖症といっても、あがり症が含まれるように、ほかにもたくさんの症状があります。
顔が赤くなる赤面症に、汗をかく多汗症。
これらは顔が赤くなる、または汗をかくことそのものに対する恐怖を覚える赤面恐怖症、発汗恐怖症もあります。
また、これらすべてがあがり症と密接な関係にあります。
さらにあがり症には顔がひきつってしまう表情恐怖症に、手足が震える振戦恐怖症、
果ては電話に出られない電話恐怖症や、笑ってはいけない場面で笑いたくなる失笑恐怖症、
おならが出たらどうしようと考えるおなら恐怖症なども含まれます。
なんだか恐怖恐怖で辟易してしまいますね。
そもそも、どこまでが心理学用語なのかは、専門家以外にはあやふやです。
ともあれ、あがり症を含む対人恐怖症は、日本特有の症候群だとも言われています。
これは裏を返せば、日本人ならあがり症でもおかしくはないということ……と言ってしまっては言葉が過ぎるでしょうか。
日本人にはあがり症が多い。よく言われることではありますが、事実だと思います。
日本人は恥を恐れる民族。
ざっと思いつくだけでも、恥の上塗り、恥も外聞もない、恥を知る、恥の上の損、などなど、恥のつく言葉は山ほどあります。
それゆえ、恥を極端に恐れ、あがり症になってしまうのでしょう。
それだけではありません。日本人は和を尊ぶ民族でもあります。
自分一人が和を乱してしまったら、という強迫観念が染み付いているようなところがあります。
失敗をしたら白い目で見られる、誰かに迷惑がかかる、すべてがぶち壊しになる。
こういった思考もあがり症の特徴です。
そして、失敗を恐れる気持ちだけでもあがり症になってしまうのに、
あがっていることを知られることもまた恥と考え、恥の上塗りならぬあがり症の上塗りとなってしまいます。
あがり症、赤面症などを含む対人恐怖症は、日本独自のものだとも言われています。
和をもって貴しと為す。いとおくゆかしき大和撫子。黙って俺について来い。
どれも大変結構なことです(最後のは少し違うかもしれませんが)。
ただそういった日本古来の考えと現在の西洋化した文化とのギャップに、あがり症は潜んでいるような気がします。