2008年2月アーカイブ
あがり症の治療薬として有名なのが「インデラル」。
βブロッカーと呼ばれるタイプの薬で、心拍数を抑えてくれるものです。
心拍数を抑えることで顔が赤くなったり、声が震えたりなどのあがり症の症状を抑えてくれます。
用法や用量はここには記しません。なぜなら、お医者さんに聞けばすむ話だからです。
インデラルはお医者さんの指示がなければ飲んではいけない薬です。
お医者さんから処方してもらい、その指示に従って飲んでください。
インデラルはインターネットを使えば、個人輸入代行業者から簡単に買うことができます。
実に大勢のあがり症さんたちが、ネットでインデラルを手に入れています。
インデラルの売買行為自体は、薬事法に触れるものではありませんが、決しておすすめできることではありません。
インデラルの安全度が仮に99%だとして、残り1%にあたってしまった場合、
ネットで買ったとなるとどこからもサポートしてもらえません。
ネットで買うなとは言いません。買うのならば自己責任で、ということを理解してください。
ごく軽いあがり症、またはあがり症だと思い込んでいる人にはインデラルは必要ありません。
自分の判断で飲むのは危険です。
うかつに薬を飲む前に、まずはあがり症であることをお医者さんに相談してみてください。
自己暗示やおまじないから一歩進んた、あがり症の治療についてお話します。
あがり症は病気ではありませんが、治療を請け負っている病院が増えてきています。
精神科や心療内科の門を叩けば、大抵、診断はしてもらえます。
医師があなたのあがり症に治療が必要だと判断すれば、続けて通院することになるでしょう。
あがり症の治療の、具体的な方法を簡単に説明します。
・薬物療法
抗うつ薬、抗不安薬などのいわゆる精神安定剤であがり症を治療します。
特にSSRIはあがり症に有効だとされている薬で、早い人なら数週間で効果が現れるといいます。
・行動療法
あがり症であるがゆえに苦手な、避けていたような状況を経験し、その恐怖に立ち向かう精神を作る治療法。
大抵は段階を踏んで、少しずつ苦手意識を解消させることが多いようです。
・認知療法
間違った認識を気づかせ、緊張や不安をやわらげる治療法です。
例えば、あがり症さんにありがちな「みんなが私を見ている」というような思い込みをなくすことで、
あがってしまう原因を減らしていきます。
以上の治療法は単独で行うこともあれば、併用して行うこともあります。
病院や医師によってやり方は千差万別ですし、患者の性格や症状によっても変わってきます。
病院に行くほどではないと感じているのなら、市販薬を試してみてはいかがでしょう。
最初に言っておきますが、あがり症の市販薬は病院で処方される薬ほど強力な効果はないかもしれません。
病院の風邪薬と市販の風邪薬くらいの違いがあると思ってください。
あがり症の市販薬として有名なのは「イララック」。
厳密に言うとあがり症の薬ではありませんが、神経を落ち着かせ、気持ちを穏やかにする作用があります。
ほかの鎮静薬と併用しない、15歳未満は服用しないなどいくつか注意点があるので気をつけてください。
「アタラックスP」はもともとじんましんの薬ですが、不安や緊張をやわらげてくれる作用があるようです。
お店によってはアレルギーのコーナーに並んでいることもあるので、見つからなかったら店員さんに聞いてみましょう。
あがり症であることを店員さんに知られるのが恥ずかしい人にはぴったりの薬かも?
正直、あがり症で市販薬を飲むくらいなら病院に行く方が早道だとは思います。
保険が利くので安く済む場合も多いですし。
精神科や心療内科は敷居が高い、あがり症ぐらいで病院は大げさだ、などと思っているのなら
市販薬も選択肢に入ると思います。
薬を飲む場合はくれぐれも、用法・用量は守りましょう。
大親友の結婚式で、スピーチをお願いされました。
あがり症のため、できるなら大勢の人の前で話すことなどしたくはありませんでしたが、
親友にどうしてもと頼まれると断りきれません。
ここはひとつ親友のためと思って必死にスピーチを考え、連日の猛練習。
いよいよ当日。会場についた途端、あがり症が首をもたげてきます。
出番が近づくにつれて心臓は高鳴り、汗が出てきます。
あと何人、あと何人とひたすら順番を考えていましたが、その時にふと親友と目が合ってしまいました。
あがり症の自分を見る、親友の心配そうな顔。ぎりぎりの線で保っていた何かが吹き飛びました。
頭に入れていたはずのスピーチはきれいさっぱりなくなり、声は上ずり、膝の震えが止まりません。
結果、あがり症全開でスピーチは大失敗。親友にも迷惑をかけてしまいました……。
あがってスピーチを失敗してしまうのは「発表恐怖」というあがり症の症状。
多くの人の目が一斉に自分に集まるため、恥をかきたくないという思いだけが高まってしまいます。
同時に、失敗を恐れる気持ちも強くなるため、悪循環に陥ってしまうのです。
これはあがり症さんなら誰でも思い当たることでしょう。
小学校の作文発表、会社でのプレゼンなども同様です。
子供の頃から恥ずかしがり屋でした。
知らない親戚の前で顔が赤くなり、「あらら照れてるの?可愛いわねえ」と言われたことは今でも忘れられません。
大人たちはみんな笑っていました。
今なら、それが微笑ましい光景だったから笑っていたのだとわかりますが、
子供だったので馬鹿にされたと思い込んでしまいました。
それ以来、顔が赤くなると、また馬鹿にされるのではないかと怖くて仕方ありません。
大きくなるにつれて恥ずかしがり屋があがり症に変化していきました。
運動会、学芸会、どの写真も顔が真っ赤です。
大人になった今では立派なあがり症になってしまいました。
つい最近、電車の中で男性の足を踏んでしまいました。
すぐに謝ったのですが、あがり症ゆえに赤面してしまい、それを男性に大きな声でからかわれました。
車両中から笑い声が聞こえるような気がしました。
赤い顔を、あがり症を馬鹿にされているような気がして、いたたまれませんでした。
あがり症の代表的な症状である赤面症のメカニズムですが、いまだに解明されていない部分も多いのです。
ただ、一度赤面を馬鹿にされるとそれがトラウマとなってしまって赤面恐怖症、
あがり症につながることがあるのはわかっています。
