あがり症の対策: 2008年1月アーカイブ
あなたが一番、怖いことはなんですか?
あがり症さんの多くは、人前で失敗すること、恥をかくことを恐れています。
でもね。
どんな恥をかいたって、死なないんです。
顔から火が出る思いをしたって、本当に火は出ません。
「死因:恥死」なんて聞いたことがありません。
「生き恥をさらすくらいなら死ぬ」なんて言う人もいますが、「死に恥」という言葉だってあるんです。
どう考えたって、恥より死の方が怖いに決まっています。
人前でどんな失敗をしても、大恥をかいても、死にません。だから、失敗したっていいんです。恥をかいてもいいんです。
これを読んでいる人には、それでもあがってしまう極度のあがり症さんもいるでしょう。
でも、どんなに重症なあがり症でも、死に至ることはありません。だから、あがり症だっていいんです。
あがり症さんは恥の恐怖よりも自分のあがり症に疲れきっている人が多いように思います。
だから、もう一度言います。あがり症だっていいんです。
もちろん、あがり症でない方が人生いろいろと楽です。そのアドバンテージは少なくはないと思います。
あがり症を克服できるのなら、克服してしまいましょう。
でも、克服できなくてもいいんです。あがり症と上手に付き合えさえすれば。
あがり症さんに最も大切なのは、リラックス。
心身ともにリラックスすれば緊張がほぐれ、あがることもなくなります。
リラックスは、しようしようと思ってできるものではありません。
リラックスしよう、リラックスしなくっちゃ、と思いつめていてはリラックスのリの字もありません。
思いつめるのはあがり症の悪い癖。
そこで、問答無用にリラックスできる小技をお教えします。
深呼吸、です。
とても簡単なことですが、あがり症対策としては絶大な効果を発揮するのです。
あがると心臓がドキドキしますよね?
これは、身体にとって足りなくなった酸素を、心臓が送り出そうとしているから。
そこで、鼻や口から酸素をいっぱい吸い込めば、心臓の動きは落ち着きます。
ドキドキが落ち着くだけで、あがり症の人にとってはありがたいですよね。
さらに、深呼吸にはメンタル的な効果もあります。
息を吐き出すことで、あがり症特有の緊張や不安を追い出すことができるのです。
あがり症さんにおすすめの深呼吸法は、まずは息を吐くこと。
イヤな気持ちを全部追い出すようにゆっくりと口から息を長く吐き出します。このとき、お腹は少しずつ引っこめて。
もう吐き切れないところまできたら、鼻から息をこれまたゆっくりと吸いましょう。
ドキドキが収まるまでこれを繰り返せばOKですよ。
あがり症に必要なのはリラックス。リラックスといえば、やはりマッサージですよね。
体がほぐれれば心もほぐれるというもの。
あがり症対策としてのマッサージについて考えてみましょう。
合コンの前に、クイックマッサージへ行く。問題ありません。
大切なプレゼンの前に、同僚に肩をもんでもらう。できそうですね。
スピーチの前に……マッサージしてくれる人が思い当たりません。
多くの場面では、あがり症が顔を出したらすぐにマッサージしてくれる人がいるわけではありません。
マッサージしてから時間が経ってしまうと、すぐにまたあがり症に逆戻り。
そこで、自分で自分の体をマッサージしちゃいましょう。
全身に力を入れます。しばらくガマンして……パッ!と力を抜いてください。
そのあと、手や足をブラブラさせたり、首や肩を回すのもいいですよ。
口を開けてジャンプする、なんてのも効果的。
周りに人がいてそんなことできなさそうな環境なら、顔だけでもやってみましょう。
顔のパーツをすべて中心に集めるように力を入れて……パッ!
これだけでもずいぶんと違いますよ。
マッサージというよりも、体をほぐす方法ですが、あがり症には効果大だと思います。
目的はあがり症を抑えることであって、肩や腰のコリを取ることではないのですから。
プレゼンや結婚式のスピーチなど、事前にわかっていることならあがり症でもそれなりの対策はとれます。
あがり症にとって困りものは、突然訪れるアクシデント。
会議で急に発言を求められたり、突然面識のない人に話しかけられたりする場合です。
そんな時に、ささっとできるのがツボ押し。
そこで、あがり症に効果がありそうなツボを紹介します。
・合谷
親指と人差し指の間のくぼみ、手の甲側にあるツボ。
あがり症だけでなくさまざまな心身症に効果があるといわれているツボです。
肩こりや目の疲れにもいいので、あがり症以外の人も仕事中に押すといいですよ。
・神門
小指側の手のひらの付け根の部分にあるツボ。
ストレスをやわらげ、心を落ち着ける効果があるので、あがり症にはぴったりです。
動悸や息切れを抑えてくれるので、深呼吸と合わせてどうぞ。
・内関
手のひらを上に向け、付け根から指3本分のところにある腕のツボ。
これも動悸や息切れを抑える効果があるとされています。
あがり症以外にも乗り物酔いやつわり、精神的な食欲不振にもいいそうです。
どのツボも親指で軽く痛みを感じる程度にギューッと押しましょう。
どれも手の周辺にあるツボなので、自然に押せます。
周囲にばれることもありませんよ。
体にいいと言われる頭寒足熱。あがり症にもいいって知ってました?
首から上を涼しくすることで頭がすっきりと働き、足を温めると血流が良くなってリラックスできます。
頭脳が冴えて心が落ち着いている、あがり症にとっては喉から手が出るほど欲しい状態ではないでしょうか。
頭を冷やすのは結構簡単。
顔を水で洗う、または冷たいおしぼりで拭く、これだけでもOKです。
メイクをしている女性なら、ミスト状の化粧水をふきかけるのはいかがでしょう?
最近ではメイクの上からでも使えるタイプが売られています。メイク直しのついでにささっとできますよ。
また、ぬれたハンカチを用意しておくのも◎。
緊張してきたな、と思ったら首の後ろにそれを当てるだけで頭が冷え、気分がすっきりしてきます。
あがり症が顔を出す前に、冷やして撃退しちゃいましょう。
残念ながら、足を温めるのは急にできることではありません。
ただでさえ、あがり症の人はなぜか手足に汗をかいてもひんやりしているものです。
そこで、普段から足を温める習慣をつけておきましょう。
半身浴やフットバスはリラックス効果もあり、あがり症さんに特におすすめ。
気持ちよくってあがり症も吹き飛んじゃう、一石二鳥の作戦です。
あがり症にとってもっとも大切な心身のリラックスをもたらしてくれる、アロマ。
あがり症さんの悩みを解消してくれる香りを紹介します。
失敗に対する恐怖心が強いあがり症さんには、ジャスミン、ラベンダー、カモミール、ベルガモットなどがおすすめ。
ハーブティーでも有名どころばかりですよね。
ハーブティーの強い香りが苦手なら、アールグレイティーにベルガモットが含まれているので、こちらをどうぞ。
香水によく使われるイランイランもいいですよ。
甘く女性らしい香りがするので、つけるだけで少し自信がわいてきます。
また、イタリア料理でおなじみのバジルにも、不安や恐怖を抑えてくれる効果があります。
あがり症のディナーはイタリアンで決定!?
他人の目が気になって仕方ないあがり症さんには、ジャスミン、カモミール、レモンバーム。
特にレモンバームは、かつて不老長寿の薬と信じられていたほどのもの。
脳と神経を強化してくれる効果があるとされています。
精神的な強さはあがり症を克服するなら必要不可欠なものですよね。
特にあがり症に効果があるとされていないアロマでも、お気に入りならそれでOK。
家でいつもかいでいる香りを、ハンカチに移して持ち歩きましょう。
緊張する場面に陥ったら、ハンカチを取り出してその香りをかげば、
それだけで家にいるようなリラックス感を得ることができますよ。
あがり症の人におすすめのメニューを紹介します。
どれもあがり症の敵、ノルアドレナリンを抑えるセトロニンの原料となるトリプトファンを含む食材が使われています。
~朝食~
和食党ならごはんにすじこやたらこ、納豆などでOK。
洋食党は牛乳、またはヨーグルトを必ず摂りましょう。
バナナときなこ、牛乳をミキサーにかけたバナナシェイクは、あがり症さんにおすすめの一杯です。
~昼食~
肉そばは、肉にもそばにもトリプトファンたっぷり。卵を落とせばより一層トリプトファンを多く摂れます。
トリプトファンは含まれていませんが、バジルを使ったパスタとハーブティーは、
リラックス効果という意味であがり症向けです。
~夕食~
肉か魚は絶対に摂りましょう。
チーズを乗せたハンバーグや、衣にナッツ類を使った魚のフライは、
元気のないあがり症さんにぴったりのボリュームメニューです。
あっさりした物が食べたいのなら、高野豆腐をさっと煮てみては?
高野豆腐にもトリプトファンは大目に含まれています。
おいしい物をしっかり食べて、あがり症を撃退しちゃいましょう!
ただし、栄養が偏りすぎないよう気をつけてください。
体を壊してしまっては、あがり症克服どころではありませんから……。
あがり症にはおまじないが効果的。
そんな非科学的な、と思うかもしれませんが、人生なんだって気の持ちようです。
おまじない一つであがり症がやわらぐのなら、試してみる価値はあると思いませんか?
あがり症のおまじないでもっともポピュラーなのは「人という字を手のひらに3回書いて飲み込む」ではないでしょうか。
これは誰もが一度は試していると思います。
ですが、これが効果テキメン!というあがり症さんは少ないのではないでしょうか。
おまじないというものは不思議なもので、自分だけのオリジナルの方がより効果があるのです。
なにかあなただけの、これをしたらあがらない!というものを見つけてみてください。
あがり症に効くおまじないの中には、科学的な効果が見込めそうなものもあります。
「首の後ろを冷やす」には、頭をすっきりと冷静にさせる効果がありますし、
「いつも身につけているものを握る」は、精神的なリラックスを得ることができます。
「息を止めて数を数える」は、数を数えることであがってしまう恐怖から心をそらすことができて有効だと思います。
このおまじないは深呼吸と併せるとより効果的かもしれません。
あがり症に対する深呼吸の効能についてはほかで触れていますので、ぜひ目を通してください。
