ippo: 2008年1月アーカイブ
夏が好きです。汗をかいていても不自然じゃないから。あがり症にとって、冬は辛い季節なんです。
子供の頃からあがり症でした。
授業中にあてられると、教科書を持つ手に汗をかいてしまい、ページが波打ってしまいます。
そんなあがり症だって恋をします。
初デートは中学生の時、憧れの先輩と。
先輩は優しくリードしてくれて、手をつないでくれました……が……。
「手、ぬれてるね。どうしたの?」
そう、それは汗だったのです。心配してくれる先輩をその場に残し、家へ逃げ帰りました。
それ以来あがり症はひどくなる一方で、手だけではなく顔や脇にも汗をかいてしまいます。
特にデートの時のトラウマか、異性の前ではしゃれにならないほど汗びっしょり。
汗をかいていることがばれるのも恥ずかしく、ハンカチで汗をおさえることもできないのです。
あがり症のせいで飲み会も、合コンも、パーティーも楽しくありません……。
発汗恐怖症も典型的なあがり症の症状。
もともと、発汗は精神状態に大きく影響されるようになっています。
緊張や不安を覚えると自律神経が活発になり、発汗を促してしまうのです。
あがれば汗をかくのが当たり前のことなのに、あがり症は汗をかくことを非常に恐れてしまうのです。
あがり症で、人と食事ができません。
家族や親友とならなんの問題もないのですが、初対面の人や、大勢の人と一緒に食事することができないのです。
子供の頃はあがり症ではありませんでしたが、給食が嫌いでした。
今の時代ならそんなこともないのでしょうが、20年ほど前は給食を残すことが罪悪であるかのような風潮でした。
5時間目の授業が始まっても食べさせられているクラスメートもいました。その子は泣いていました。
そんな光景を見て以来、給食を急いで、嫌いな物も無理をして食べるようになりました。
ある日、いつものように給食を口につめ込んでいたら、ガキ大将に脇をくすぐられ、食べ物を鼻や口からふき出してしまいました。
今振り返ってみても顔から火が出る思いです。
この事件を卒業までずっとからかわれ続け、すっかり内向的になってしまいました。
同時に、あがり症も強くなっていったように思います。
人と食事ができない「会食恐怖」もあがり症の症状と言えるでしょう。原因は、ほとんどがトラウマです。
箸の持ち方をきつく叱られる、くちゃくちゃ音を指摘されるなど、ささいなことがあがり症のきっかけになることもあるのです。
また、あがり症とは無関係に胃腸の弱さに原因があったり、拒食症や過食症により引き起こされることもあります。
大切なお客様であればあるほどあがってします。
お茶を出す手が震えて、ひどいときにはこぼしてしまうこともあるのです。
これは「振戦恐怖」といって、手や足の震え(振戦)に対して恐怖を覚えるあがり症の一種。
また震えたらどうしようという思いが引き起こします。
あがり症のため、人の目が気になって仕方ありません。
友人は「気にしすぎ」「自意識過剰」なんて言いますが、そんなはずはないんです。
「視線恐怖」はほとんどが思い込み。
周囲の目が気になるあがり症の、極端な例といえるでしょう。
電話が嫌いです。普段は平気なのに電話だと声が上ずったり、口ごもったりしてしまうのです。
最近では電話の音が鳴るだけでびくりとします。
「電話恐怖」は電話対応に自信がないことから起こるあがり症。努力で克服できる可能性が高い症状です。
人前で字を書くとなぜか下手になってしまいます。
結婚式や葬式は記帳しなくてはいけないのでできれば行きたくありません。
これは「書痙」と呼ばれるあがり症の症状。緊張してうまく書けなくなるのです。
会社のトイレで用を足せません。
個室に入っているときに誰かあとから来たりすると、気が気ではないのです。
これもあがり症の一種で「排尿恐怖」といいます。
トイレに行くのをガマンしがちで、他の病気を引き起こすこともあります。
あがり症とはなにか。これを知ることはあがり症さんにとって大きな意味があります。
どんな名医でも、原因のわからない病気を治療することはできません。
また、なんてことのない軽い病気でも、重症だと思い込んで症状を悪化させてしまう人もいます。
あがり症も同様。
自分があがり症であるかどうか、あがり症だとしたら度の程度のものか、原因はなにか、
これらを知らなければ克服することはできないのです。
これまであがり症の症状やエピソードをたくさん紹介してきました。
あがり症さんは、読むうちにトラウマや失敗談を思い出してしまったかもしれませんね。
傷口に塩をぬってくれるなと思った人もいるでしょう。
あがり症エピソードを紹介したのは、意地悪心からではありません。
あがり症で悩んでいるのはあなただけではないということを知ってもらいたかったのです。
実にたくさんの人があがり症で悩み、恥をかき、辛い思いをしています。
むしろ、あがり症でない人の方が少ないのではないかと思うくらいです。
さあ、気を楽にしてください。あなたには仲間がたくさんいます。
勇気を出して、あがり症と向き合ってください。
あがり症は絶対に克服できます。なくすことができないのなら、上手につきあっていけばいいのですから。
少々、私のことを話してもよろしいでしょうか。不愉快ならばお読み飛ばしを……。
私も元々、あなたと同じあがり症でした。
引っ込み思案で大人しい子供。
勉強だけはできたので授業で指されることはさほど苦痛ではありませんでしたが、
運動が苦手で一人一人やらされる平均台や跳び箱ではあがってしまい、いつも失敗していました。
「失敗を笑われたくない」という典型的なあがり症の思考です。
そんな自分に嫌気が差したのは、小学校の中学年だったと思います。
「あーもうメンドクサイ!こんな自分は嫌だ!」
なにかきっかけがあったのかもしれませんが、思い出せません。
ただそれ以来、いい意味で開き直れるようになり、少しずつあがらなくなっていきました。
子供の頃の私は、「メンドクサイ」という理由だけであがり症を吹き飛ばしました。
今思えば、「失敗を恐れない」より「失敗を恐れる自分を恐れない」ことであがり症を克服したのだと思います。
今もあがることはありますが、あの頃のようにあがり症に手を焼くことはなくなりました。
あがり症であろうとなかろうと、誰だって失敗は怖いのだということに気がづいたのかもしれません。
これはあくまで私個人の話。
こんなのんきなあがり症もいるのか、と頭の隅にでも置いておいてくださいな。
あがり症克服の前に一つ知っておいてほしいことあります。それは、「あがらない人間なんていない」ということです。
千人の前で流暢なスピーチができても、たった一人の恋人の前ではしどろもどろになる人もいます。
直前まで子犬のように震え上がっていたのに、いざというときには堂々と振舞える人もいます。
そういった人たちは、口に出さないだけで実はあがり症なのかもしれません。
あがり症という自覚がない、または精神力で押さえ込んでいることも考えられます。
すでにあがり症を自覚しているあなたが、そういった人たちのようにあがり症である事実を消す、または忘れることは不可能かもしれません。
しかし、あがり症と上手につきあい、今よりもずっと快適に過ごすことは可能です。
「自分はあがり症ではない」と口に出してみてください。ひとり言で結構です。
あがり症克服の手始めとして、自分に暗示をかけてみましょう。
ばかばかしいようですが、これは意外と効果アリ。人間、誰だって自分の言うことが一番信じられるのですから。
それでもだめな人は、今度は「自分はあがり症だ」と言ってみましょう。
口に出すことに意味があります。本当に隠したいことって、ひとり言でもなかなか言えないものですから。
はっきりと口に出してあがり症を強く認識することが、克服の下準備となります。
あがり症の克服法には、大きく分けて2種類あります。セルフケアと通院です。
あがり症でも日常生活に支障がない程度なら、セルフケアで十分。
イメージトレーニング、自己暗示といった観念的なものから、サプリメントやアロマテラピーなど物理的なものまで、
自分でできるあがり症対策は意外と多いのです。
あがりそうなイベントの前に髪を切る、あがってしまう人と会うときは赤い服を着る、などなど、
オリジナルのあがり症対策をしている人もいます。
そんなものただのおまじないじゃないか、と思うかもしれませんが、
なにもしないであがり症、あがり症とわめくより、おまじないの一つでもした方がずっとマシです。
セルフケアの効果がまったくなく、どうしようもなくなってしまったら通院を考えてみてもいいかもしれません。
最近では精神科や心療内科などであがり症の治療を行っている病院も増えてきました。
病院以外でもカウンセリングやセミナー、催眠療法などを取り入れている施設もあるので、いろいろと探してみるといいでしょう。
ただし、あがり症の治療は病院や先生との相性が大きく左右するものだということを覚えておいてください。
また、悪質なカウンセリング詐欺やセミナー詐欺にもご注意を......。
あなたが一番、怖いことはなんですか?
あがり症さんの多くは、人前で失敗すること、恥をかくことを恐れています。
でもね。
どんな恥をかいたって、死なないんです。
顔から火が出る思いをしたって、本当に火は出ません。
「死因:恥死」なんて聞いたことがありません。
「生き恥をさらすくらいなら死ぬ」なんて言う人もいますが、「死に恥」という言葉だってあるんです。
どう考えたって、恥より死の方が怖いに決まっています。
人前でどんな失敗をしても、大恥をかいても、死にません。だから、失敗したっていいんです。恥をかいてもいいんです。
これを読んでいる人には、それでもあがってしまう極度のあがり症さんもいるでしょう。
でも、どんなに重症なあがり症でも、死に至ることはありません。だから、あがり症だっていいんです。
あがり症さんは恥の恐怖よりも自分のあがり症に疲れきっている人が多いように思います。
だから、もう一度言います。あがり症だっていいんです。
もちろん、あがり症でない方が人生いろいろと楽です。そのアドバンテージは少なくはないと思います。
あがり症を克服できるのなら、克服してしまいましょう。
でも、克服できなくてもいいんです。あがり症と上手に付き合えさえすれば。
あがり症のセルフケアで誰にでもできるのが自己暗示。
あがり症で有効な自己暗示は「失敗しても大丈夫」と「絶対に失敗しない」の二種類です。
あがり症なら「失敗しても大丈夫」と思うことの方が一般的に感じられるかもしれませんね。
ただ、この言葉には明確なビジョンがなく、暗示としてかけるには少々弱いもの。
そこであえて「絶対に失敗しない」と暗示をかけるのです。
あなたの周りに、いつも堂々としている人はいませんか?
そんな人が周りにいたら、あがり症のあなたにとって羨ましくてチョッピリ妬ましい存在でしょうから、
絶対にその人のことをよく見ているはずです。
その人のマネをしてみましょう。
完全にコピーする必要はありません。例えば、声を大きくする、胸を張る、歩幅を広くする、などの小さなことでOK。
そうすることで、形だけでも「堂々と」振舞えるようにしておきます。
入れ物ができたら、次は中身。
ここで初めて自分は「絶対に失敗しない」と暗示をかけるのです。
「あがり症?なにそれ?自分には関係ない」と思い込むのです。
これは常日頃からやるよりも、あがりそうなイベントの前などに行うようにするといいでしょう。
慣れればいざというときに、あがり症から一瞬で「堂々モード」のスイッチを入れることもできるようになります。
「絶対に失敗しない」と暗示をかけるのは、あがり症にとって有効な対策法。
でも、これだけじゃダメなんです。
暗示とは、本来の自分を後押ししてくれるもの。
偏差値40で「絶対に失敗しない」と暗示をかけて東大を受けたって、どうにもなりません。
「絶対に失敗しない」と言い切れる下地が必要になります。
あがり症の原因の一つに練習不足と経験不足があります。
どうしても「失敗したくない」「うまくやりたい」と考えてしまうあがり症にとって、この二つは天敵。
練習や経験が不足すれば、それだけ失敗する確率は上がってしまうのですから。
それプラスそこから生じる不安も、失敗の確率をより上げることになります。
なにが言いたいのかというと、「失敗したくないなら努力しろ!」です。
半分しか覚えていないスピーチがうまくいくわけありませんよね?
冷静に、これまで「あがって」失敗してしまったときのことを思い出してください。
「半分しか覚えてないよ、どうしよう……」
これではあがり症でなくたって失敗します。
これまでのあなたの失敗は、あがり症以外のところに原因があるのかもしれません。
スピーチを全部覚える努力、何度も繰り返す根性があってはじめて、あがり症を克服する意味があるのです。
あがり症さんに最も大切なのは、リラックス。
心身ともにリラックスすれば緊張がほぐれ、あがることもなくなります。
リラックスは、しようしようと思ってできるものではありません。
リラックスしよう、リラックスしなくっちゃ、と思いつめていてはリラックスのリの字もありません。
思いつめるのはあがり症の悪い癖。
そこで、問答無用にリラックスできる小技をお教えします。
深呼吸、です。
とても簡単なことですが、あがり症対策としては絶大な効果を発揮するのです。
あがると心臓がドキドキしますよね?
これは、身体にとって足りなくなった酸素を、心臓が送り出そうとしているから。
そこで、鼻や口から酸素をいっぱい吸い込めば、心臓の動きは落ち着きます。
ドキドキが落ち着くだけで、あがり症の人にとってはありがたいですよね。
さらに、深呼吸にはメンタル的な効果もあります。
息を吐き出すことで、あがり症特有の緊張や不安を追い出すことができるのです。
あがり症さんにおすすめの深呼吸法は、まずは息を吐くこと。
イヤな気持ちを全部追い出すようにゆっくりと口から息を長く吐き出します。このとき、お腹は少しずつ引っこめて。
もう吐き切れないところまできたら、鼻から息をこれまたゆっくりと吸いましょう。
ドキドキが収まるまでこれを繰り返せばOKですよ。
あがり症に必要なのはリラックス。リラックスといえば、やはりマッサージですよね。
体がほぐれれば心もほぐれるというもの。
あがり症対策としてのマッサージについて考えてみましょう。
合コンの前に、クイックマッサージへ行く。問題ありません。
大切なプレゼンの前に、同僚に肩をもんでもらう。できそうですね。
スピーチの前に……マッサージしてくれる人が思い当たりません。
多くの場面では、あがり症が顔を出したらすぐにマッサージしてくれる人がいるわけではありません。
マッサージしてから時間が経ってしまうと、すぐにまたあがり症に逆戻り。
そこで、自分で自分の体をマッサージしちゃいましょう。
全身に力を入れます。しばらくガマンして……パッ!と力を抜いてください。
そのあと、手や足をブラブラさせたり、首や肩を回すのもいいですよ。
口を開けてジャンプする、なんてのも効果的。
周りに人がいてそんなことできなさそうな環境なら、顔だけでもやってみましょう。
顔のパーツをすべて中心に集めるように力を入れて……パッ!
これだけでもずいぶんと違いますよ。
マッサージというよりも、体をほぐす方法ですが、あがり症には効果大だと思います。
目的はあがり症を抑えることであって、肩や腰のコリを取ることではないのですから。
プレゼンや結婚式のスピーチなど、事前にわかっていることならあがり症でもそれなりの対策はとれます。
あがり症にとって困りものは、突然訪れるアクシデント。
会議で急に発言を求められたり、突然面識のない人に話しかけられたりする場合です。
そんな時に、ささっとできるのがツボ押し。
そこで、あがり症に効果がありそうなツボを紹介します。
・合谷
親指と人差し指の間のくぼみ、手の甲側にあるツボ。
あがり症だけでなくさまざまな心身症に効果があるといわれているツボです。
肩こりや目の疲れにもいいので、あがり症以外の人も仕事中に押すといいですよ。
・神門
小指側の手のひらの付け根の部分にあるツボ。
ストレスをやわらげ、心を落ち着ける効果があるので、あがり症にはぴったりです。
動悸や息切れを抑えてくれるので、深呼吸と合わせてどうぞ。
・内関
手のひらを上に向け、付け根から指3本分のところにある腕のツボ。
これも動悸や息切れを抑える効果があるとされています。
あがり症以外にも乗り物酔いやつわり、精神的な食欲不振にもいいそうです。
どのツボも親指で軽く痛みを感じる程度にギューッと押しましょう。
どれも手の周辺にあるツボなので、自然に押せます。
周囲にばれることもありませんよ。
体にいいと言われる頭寒足熱。あがり症にもいいって知ってました?
首から上を涼しくすることで頭がすっきりと働き、足を温めると血流が良くなってリラックスできます。
頭脳が冴えて心が落ち着いている、あがり症にとっては喉から手が出るほど欲しい状態ではないでしょうか。
頭を冷やすのは結構簡単。
顔を水で洗う、または冷たいおしぼりで拭く、これだけでもOKです。
メイクをしている女性なら、ミスト状の化粧水をふきかけるのはいかがでしょう?
最近ではメイクの上からでも使えるタイプが売られています。メイク直しのついでにささっとできますよ。
また、ぬれたハンカチを用意しておくのも◎。
緊張してきたな、と思ったら首の後ろにそれを当てるだけで頭が冷え、気分がすっきりしてきます。
あがり症が顔を出す前に、冷やして撃退しちゃいましょう。
残念ながら、足を温めるのは急にできることではありません。
ただでさえ、あがり症の人はなぜか手足に汗をかいてもひんやりしているものです。
そこで、普段から足を温める習慣をつけておきましょう。
半身浴やフットバスはリラックス効果もあり、あがり症さんに特におすすめ。
気持ちよくってあがり症も吹き飛んじゃう、一石二鳥の作戦です。
あがり症にとってもっとも大切な心身のリラックスをもたらしてくれる、アロマ。
あがり症さんの悩みを解消してくれる香りを紹介します。
失敗に対する恐怖心が強いあがり症さんには、ジャスミン、ラベンダー、カモミール、ベルガモットなどがおすすめ。
ハーブティーでも有名どころばかりですよね。
ハーブティーの強い香りが苦手なら、アールグレイティーにベルガモットが含まれているので、こちらをどうぞ。
香水によく使われるイランイランもいいですよ。
甘く女性らしい香りがするので、つけるだけで少し自信がわいてきます。
また、イタリア料理でおなじみのバジルにも、不安や恐怖を抑えてくれる効果があります。
あがり症のディナーはイタリアンで決定!?
他人の目が気になって仕方ないあがり症さんには、ジャスミン、カモミール、レモンバーム。
特にレモンバームは、かつて不老長寿の薬と信じられていたほどのもの。
脳と神経を強化してくれる効果があるとされています。
精神的な強さはあがり症を克服するなら必要不可欠なものですよね。
特にあがり症に効果があるとされていないアロマでも、お気に入りならそれでOK。
家でいつもかいでいる香りを、ハンカチに移して持ち歩きましょう。
緊張する場面に陥ったら、ハンカチを取り出してその香りをかげば、
それだけで家にいるようなリラックス感を得ることができますよ。
サプリメントを一つも飲んでいないという人はほとんどいないと思います。
痩せるサプリ、肌がキレイになるサプリ、疲れを取るサプリといった一般的なものから、
胸が大きくなるサプリ、髪の毛が生えてくるサプリなどなど、インターネットや個人輸入も手伝って、
いまや日本はサプリメント大国。
そんな中、あがり症に効くサプリというものも存在します。
あがり症サプリとして有名な「セントジョーンズワート」。
あがり症が少ないアメリカ生まれのサプリメントですが、
気分を向上させる効果があるとしてあがり症さんの間でも定評があります。
天然ハーブから作られているので、安心度が高いのではないでしょうか。
セントジョーンズワートは1箱1ヶ月分。
1ヶ月後に大舞台がある、などという場合には、あがり症対策の選択肢となるかもしれませんね。
あがり症対策としてサプリメントを飲む場合は注意が必要。
サプリメントはあがり症を治療するものではありません。過剰な期待は禁物です。
痩せるサプリや肌がキレイになるサプリ同様、飲んでいるだけでみるみる効果が!というものではありません。
また、副作用がある場合もあります。
常用している薬がある人、病気中の人などは、かかりつけのお医者さんに相談した方がいいでしょう。
あがり症に効くとされているサプリメントもありますが、食事でもあがり症をやわらげることができます。
そもそもあがり症とは、「ノルアドレナリン」が大量に分泌されることで起こります。
ノルアドレナリンの分泌を抑えてくれるのが「セロトニン」という成分。
あがりにくい人はこのセロトニンが多く分泌されているのです。
日本人は外国人に比べて、セロトニンの分泌量が少ないとも言われています。
少し話がそれてしまいましたが、要するに、セロトニンをたくさん分泌させればあがり症は抑えられるのです。
あがり症と戦うセロトニンの材料は、「トリプトファン」というアミノ酸。
このトリプトファンを多く含む食材を食べれば、あがり症の対策になるというわけです。
トリプトファンは肉・魚全般、すじこやたらこ、納豆など豆類、ナッツ類、乳製品に多く含まれています。
どれも特別な食材ではないので、日々の食事に取り入れやすいのではないでしょうか。
ただし、トリプトファンの摂りすぎは肝硬変をまねく恐れがあるので気をつけてください。
また、トリプトファンを摂取しても体に吸収されるには2時間ほどかかります。
大事なイベントの2時間前までに食事を済ませるのが効果的です。
あがり症の人におすすめのメニューを紹介します。
どれもあがり症の敵、ノルアドレナリンを抑えるセトロニンの原料となるトリプトファンを含む食材が使われています。
~朝食~
和食党ならごはんにすじこやたらこ、納豆などでOK。
洋食党は牛乳、またはヨーグルトを必ず摂りましょう。
バナナときなこ、牛乳をミキサーにかけたバナナシェイクは、あがり症さんにおすすめの一杯です。
~昼食~
肉そばは、肉にもそばにもトリプトファンたっぷり。卵を落とせばより一層トリプトファンを多く摂れます。
トリプトファンは含まれていませんが、バジルを使ったパスタとハーブティーは、
リラックス効果という意味であがり症向けです。
~夕食~
肉か魚は絶対に摂りましょう。
チーズを乗せたハンバーグや、衣にナッツ類を使った魚のフライは、
元気のないあがり症さんにぴったりのボリュームメニューです。
あっさりした物が食べたいのなら、高野豆腐をさっと煮てみては?
高野豆腐にもトリプトファンは大目に含まれています。
おいしい物をしっかり食べて、あがり症を撃退しちゃいましょう!
ただし、栄養が偏りすぎないよう気をつけてください。
体を壊してしまっては、あがり症克服どころではありませんから……。
あがり症にはおまじないが効果的。
そんな非科学的な、と思うかもしれませんが、人生なんだって気の持ちようです。
おまじない一つであがり症がやわらぐのなら、試してみる価値はあると思いませんか?
あがり症のおまじないでもっともポピュラーなのは「人という字を手のひらに3回書いて飲み込む」ではないでしょうか。
これは誰もが一度は試していると思います。
ですが、これが効果テキメン!というあがり症さんは少ないのではないでしょうか。
おまじないというものは不思議なもので、自分だけのオリジナルの方がより効果があるのです。
なにかあなただけの、これをしたらあがらない!というものを見つけてみてください。
あがり症に効くおまじないの中には、科学的な効果が見込めそうなものもあります。
「首の後ろを冷やす」には、頭をすっきりと冷静にさせる効果がありますし、
「いつも身につけているものを握る」は、精神的なリラックスを得ることができます。
「息を止めて数を数える」は、数を数えることであがってしまう恐怖から心をそらすことができて有効だと思います。
このおまじないは深呼吸と併せるとより効果的かもしれません。
あがり症に対する深呼吸の効能についてはほかで触れていますので、ぜひ目を通してください。
「プラシーボ効果」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
病院で痛み止めを注射したらすぐに痛み消えた。
実は、その注射は痛み止めでもなんでもなく、ただのブドウ糖だった。
ブドウ糖を医師に「痛み止めだ」と渡されたことでそう信じ込んでしまい、思わぬ効果があったということです。
これは実際の治療でも使われていて、「プラシーボ手術」なるものまで行われているといいます。
プラシーボ効果は、あがり症対策にも応用できます。
スピーチ前に緊張しているあがり症さんに「これはあがらなくなるサプリメントだよ」と、ビタミン剤でもあげてみてください。
恐らく彼は、あがり症などどこへやら、驚くほど落ち着いてスピーチをこなすことができるでしょう。
「これを飲んであがり症が治った」とか、「●●大学の教授も効果を認めている」などと大げさなことを付け加えれば、
より大きな効果があげられると思います。
あがり症はもともと、心の緊張や不安からくるもの。
治療(というほど大げさな物ではありませんが)も心から、というわけです。
ただし、プラシーボ効果が効きすぎる人は妙なセミナーや怪しげな治療院にはまってしまう可能性も。
あがり症が少しやわらいだかなと思ったら、種明かしをしてあげてください。
親しい人があがり症だという人のために、少しお話しましょう。
あなたは、親しい人があがり症だからといって、その人を嫌いになりますか?なりませんよね。
でも、当人はそう思っていないことが多いのです。
「人に嫌われるのが怖くてあがり症になる」人もいれば、「あがり症だと知られたら嫌われる」と考える人もいます。
あがり症と一言で言っても、いろいろなタイプがあるのです。
「自分はあがり症だから」と口に出すタイプは、比較的つきあい方も楽ちん。
あがり症であること以外は普通の人とまったく変わらないのですから。
プラシーボ効果を狙って偽サプリメントをあげたり、嘘のおまじないを教えたりして、
あがり症をやわらげてあげることだってできます。
あがり症であることを親しい人にも言えないタイプの方が、実は大変です。
このタイプはあがり症であることを悟られるのがすでに恥と考えています。
でも、あなたがこれを読んでいるのは、すでにあがり症であることを感じ取っているからですよね。
それなら、知らぬふりをしてあげてください。
信頼関係が深まれば、いつか当人からあがり症であることが聞けると思います。
そのときは笑ったり馬鹿にしたりせずに、親身になって話を聞いてあげましょう。
さらに自信をつけさせることができれば完璧です。
あがり症治療において行動療法や認知療法よりも即効性があるとされている薬物療法。
あがり症の治療で使われる薬には、大きく分けて2つのタイプがあります。
まずは、物理的にあがり症の症状を抑え込む薬。
あがって顔が赤くなったり、声が震えたりするのは、心拍数の上昇によるものだということがわかっています。
つまり、心拍数の上昇を抑える薬はあがり症に効果があるということになります。
このタイプは平たくいえば心臓の薬なので、用法、用量をきちんと守りましょう。
次に、精神的にあがり症の症状を出さない薬。抗不安薬などのいわゆる精神安定剤のことです。
精神安定剤を飲むと幻覚を見る、なんて信じている人もいますが、
全員が全員、そんな副作用に見舞われるわけではありません。
きちんとしたお医者さんが処方し、その指導によって服用するのなら、それほど問題はないのです。
あがり症の治療に薬が有効なのは事実。でも、薬を飲むことに不安を感じるのなら、やめておいた方が無難です。
不安を取り除くための薬に不安を抱いても仕方がないですよね。
薬を使うか使わないか、使うならどんな薬か。じっくりお医者さんと話し合ってから、あがり症の治療に取り組みましょう。
あがり症の治療でほかと一線を画しているのが催眠療法。
テレビなどで催眠術を見たことがあるでしょう?あれをあがり症の克服に利用するものです。
厳密に言うと、テレビなどで行っているものは「舞台催眠(ショー催眠)」と呼ばれるもので、催眠療法とは別のもの。
どちらも催眠状態に陥るということくらいしか共通点はありません。
催眠術であがり症を治療する、なんていってしまうと誤解を生んでしまうかもしれませんね。
薬物療法や行動療法と違って、なんの努力もなしにあがり症が治ってしまうと勘違いしてしまう人もいるかもしれません。
ですが、催眠状態は意識がまったくなくなるわけではありません。
あくまであがり症を克服するのは自分の意思だということを覚えておいてください。
さて、催眠療法は医師法に基づいた治療ではないので、医師以外でも行うことができます。
だからこそ、こういっては失礼かもしれませんが、アヤシゲな所もチラホラ……。
高額な治療費を請求したり、催眠療法と称してよからぬことをしたり、
トラブルが絶えない分野でもあります。
少しでも不審に思う部分があったら、かかわり合いにならない方が無難。
本当にあがり症を克服したいのなら、お世話になる所はじっくりと吟味しましょう。
あがり症の改善にカウンセリングを行う所もあります。
ここで言うカウンセリングとは、治療を受ける前の相談ではなく、そのものであがり症を克服するカウンセリングを指します。
カウンセリングは、日本では臨床心理学の一部とされています。
患者の話を聞く、という単純な行為ではありますが、科学的な裏づけがあるのです。
それと同時に、大量のにわかカウンセラーが存在するのも事実。
カウンセリングだけでは医療行為にあたらないために、インチキ臭いものも少なくはないようです。
繰り返しになりますが、あがり症さんはあがり症であることを隠したがるもの。
当然、カウンセリングを受けるのにも誰かに相談してから、という人は少ないのです。
自分のあがり症に疲れきっている、また、一刻も早くあがり症をなんとかしたい、という人は
周りが見えなくなっていることが多く、インチキカウンセリングに騙されてしまう可能性があります。
カウンセリングがインチキかそうでないかを見分けるのは難しいです。
どうしてもカウンセリングを受けてみたいのなら、
メールカウンセリングやチャットカウンセリングを体験してみてはいかがでしょう?
ただし、個人情報の流出など、ネット特有のトラブルにはくれぐれも気をつけてください。
森田療法を知っていますか?
日本で生まれた代表的な心理療法で、あがり症にも効果があるとされています。
森田療法を生み出した精神科医の森田正馬は、神経症は病気ではなく、症状に対する精神的な「とらわれ」だとしています。
例えば、あがり症で声が震えてしまう人の場合。
一度人前で声が震えてしまい、それ以来、「また震えたらどうしよう」と考えてしまうのが精神的な「とらわれ」です。
森田療法は治療法も少し変わっています。
本来、あがり症などの精神療法では、原因を見極めてそれを取り除くという手段をとります。
ところが森田療法では、原因を取り除こうとはしません。
原因と症状を「あるがまま」に受け入れるのが森田療法です。
一から説明すると非常に難しくなってしまうので簡単に言うと、
あがり症で声が震えてしまうのなら、そのまま話せばいい。
「声が震える自分」を受け入れて、あがり症の自分と上手につきあっていきましょう。
ということ。
あがり症の治療において森田療法と一般的な精神療法のどちらかが優れているということはありません。
しいて言うなら、向き不向きがある、という程度です。
森田療法に興味を持ったなら、本がたくさん出ているので参考にするといいでしょう。
森田療法を詳しく解説しているサイトもあるので、探してみてください。
あがり症さんが一番困るのは、うまく話せないことだと思います。
あがり症が顔を出すのは、誰かと触れ合っているとき。
それが東京ドーム一杯の観客であろうと、目の前の一人であろうと、です。
部屋にひとりぼっちでいるときにあがり症が出てしまう人なんていないですよね。
人前であがってしまうのは、なにかを話して自分の意思を伝えなければならないから。
となれば、声が多少震えようが、顔が赤くなろうが、
自分の思うがままに話せるだけで大分気が楽になるのではないでしょうか。
これができればあがり症の8割は克服したと言えると思います。
逆に言えば、たとえどんなに流暢なスピーチでも、実が伴っていなければ相手の心に響かせることはできません。
たとえどれだけ言葉を駆使しても、相手にわかってもらおうとする努力がなければ、言葉は宙に消えていくのみです。
声が震えても、顔が赤くても、一生懸命自分の考えていることを伝える。
あがり症であろうとなかろうと、これがもっとも大切なことです。
また、本当に言いたいことが相手に伝わった場合、声の震えも赤い顔も、相手には好意的に映ります。
不器用さが誠実な印象を与えるのです。
さあ、あがり症さん?体裁を気にする前に、どうしたら伝わるかを真剣に考えてみましょう。
あがり症さんにとって人前で話すことは、もっとも辛いことだと思います。
ところが社会に出ると、会議、プレゼン、スピーチなどなど、大勢の人の前で話す機会は多々あるのです。
あがり症を克服できればもちろんベストですが、あがり症と上手に付き合いながら話す方法もあります。
あるテレビドラマで登場人物がこんなことを言っていました。
「失敗しても、当たり前。成功したら、男前」
まずは自分はあがり症だということを、認めましょう。
人前で話すのに緊張してしまうのは、あがり症なんだから当たり前。
顔が赤くなるのも、汗をかくのもあがり症なんだから当たり前。
「早くも顔が赤くなってまいりました」「おおっと、本日3度目の声の裏返りだ!」
心の中で自分を実況して見るのもおもしろいかもしれません。
自分はあがり症だから、失敗しても当たり前だ。
自分で自分に言い聞かせ、むしろあがり症を楽しむくらいの気持ちでいきましょう。
許されるような場なら「自分はあがり症でありまして」などと前置きしてしまうのもいいですね。
ただし、「あがり症だから失敗しても当たり前」は自分だけに言い聞かせる言葉。
相手には「自分はあがり症だけど、精一杯がんばります」と伝えなければなりません。
くれぐれも、あがり症を怠慢の免罪符にはしないでください。
あがり症さんが一週間後、スピーチをすることになりました。
この一週間をどうすごすかで、スピーチが成功するか失敗するかが決まります。
もっともまずいのが、ただ「どうしよう」を繰り返すだけの日々。
どうしよう、うまくいくだろうか、そんなことをただ一週間考えているだけでは、間違いなく失敗します。
一週間も先のことを心配していたって仕方ありません。
一週間も前からあがっていたって仕方ありません。
あがり症だからこそ、準備は万端にしていかなければならないのです。
あがり症に必要な準備、それは入念なリハーサル。
スピーチを書き上げたら、まずはひとり言でいいから口に出してみましょう。
それに慣れてきたら、できるだけ大きな声で、そこがスピーチ会場であるかのように読み上げてみてください。
あなたはあがり症なんですから、一人でも上手にできないのに人前で成功するわけがありません。
原稿をすべて覚えてしまうくらい、何度も何度も繰り返してください。繰り返しの練習は自信につながります。
できれば本番前に人に聞いてもらえればベストですが……あがり症さんに無理は言いません。
まずは一人で、完璧に仕上げてください。
これが終わってようやく、おまじないや深呼吸の出番です。
練習あってこそのあがり症対策だということを忘れないでください。
